野田首相、「いま、この時期に東アジア共同体はいらない」論文:主権を放棄した国を、世界は相手にしてくれない/日々雑感:よくわからないこと?!

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野田首相、「いま、この時期に東アジア共同体はいらない」論文:主権を放棄した国を、世界は相手にしてくれない

今日はたまたまだが、野田総理の所信表明演説を見てしまった。鳩山氏や菅氏のように、思いつきと思われてもしょうがないような話は出なかった。逆に言えば、言葉の羅列で、頭に残ったことは何もなかった。

また、今日は、野田総理が月刊誌『Voice10月号に寄稿した「わが政治哲学」という文章も見てしまった。「「この国に生まれてよかった」と思える国にいかにつくるか」という副題がついている。

この寄稿文で頭に残ったメッセージは①「増税」と②「対米従属」だ。

「増税」については、これまでの政治の最大の問題は、「大事な問題を先送りばかりしてきたこと」とし、松下幸之助氏が日本の財政危機に強い問題意識を持っていたとして、松下政経塾を設立した問題がここにあったと言わんばかりの説明をしている。

「対米従属」については、「(外交の)『軸』は、間違いなく日米関係」と強調しています。その上で、「領土領海に絡む重大な事件が発生した場合に日本がいかなる姿勢を打ち出すべきか、あらためてシミュレーションをしておくべき」として、中国などから抗議を受けそうな意見を述べている。

さらに、ここで話題となっているのは、「東アジア共同体などといった大ビジョンを打ち出す必要はない」といっていることだ。この寄稿文では述べていないが、TPPに積極的に参加すると言っていることからすると、米国が強く要請しているものには積極的に参加するが、中国が絡むものは、検討する必要もない、と言っているようにも思われる。

09年に民主党が政権を奪った時には、鳩山由紀夫首相が「東アジア共同体」構想と「対等な日米同盟」を表明し、それまでの自民党とは違う方針を打ち出していました。結局、言葉だけ手終わってしまいましたが、何か変わるのではないかという期待が生まれました。しかし、今回の野田総理の主張は、前の民主党の主張を退け、それ以前の古い世界に逆戻りしてしまったかのようです。

世界は大きく変わっています。今、ここに至って、「対米従属」に逆戻りとはいったいどのような考えなのでしょうか?ここは、むしろ「東アジア共同体」構想を前面にして、日本が世界という場で、何をやりたいのかを積極的に打ち出すときでしょう。そうでないならば、主権を放棄したような国を、世界は相手にしてくれないでしょう。

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