HOME > 日々雑感:よくわからないこと?! > アート > 【Crossroad:掲載記事】『意識の辺縁』(今福ちか)(2010年9月号掲載)
今福ちか:「意識の辺縁」
コメント:
今福さんは、作品を制作する際に、それを展示する場所や時間(時期)を意識して作業を行うそうだ。いわゆる「インスタレーション」(中国では「設置芸術」)作品だ。彼女にとって見ると、その作品を展示する「場所・空間」が重要であるのはもちろんだが、それを展示する「時期・時間」も同様に重要な要素だ。場所・空間はこの数年展示を行っているギャラリーQだが、今回の展示では夏という時期を意識して、これらの「色」が彼女の意識から表出してきたのだそうだ。
以前から作品のテーマとして、「Conscious-ness」「意識」「記憶」等の言葉が使われている。それは、彼女にとって制作を行うということは、彼女自身のDNAの中に埋め込まれた古い記憶との意識的あるいは無意識的な対話に他ならないからだろう。以前の作品テーマで「Voice」(「声))という言葉が使われているが、これが「Sound」(「音」)でないのは、彼女の作品を制作するという行為が、無意識のうちにもっと根源的な生命との対話にも近いものになっているからかもしれない。
彼女の「インスタレーション」という制作方法によって、その「場所・空間」と、その「時期・時間」の相対的な「ありよう」が、彼女という「器」を通して、彼女自身のその時々の「存在」となって表されてくるのだろう。
略歴
1969年 静岡県出身
1993年 静岡大学大学院教育研究科美術教育専攻造形制作論修了
主な個展
1999年 「Voice of Colors」HARAJUKU GALLERY、原宿
2001年 「Cast-off, Lingering and Lasting…」ギャラリーQ、東京
2002年 「Conscious-ness」ギャラリーQ、東京
2003年 「記憶の上澄み-secret tale-」「静寂と饒舌 -Stillness and talkative-」ギャラリーQ、東京
2004年 「覚醒 -kakusei-1」「覚醒 -kakusei-2」ギャラリーQ、東京
2005年 「覚醒 -kakusei-3」ギャラリーQ、東京
2006年 「透過する意識」ギャラリーQ、東京
2007年 「意識の変換 線と色の物語」ギャラリーQ、東京
2008年 「意識の変換 線と色の物語」Vol.2-ギャラリーQ、東京
2009年 「意識の変換 線と色の物語」Vol.3-ギャラリーQ、東京
2010年 「意識の辺縁」ギャラリーQ、東京
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