【Crossroad誌:掲載記事】『待ちぼうけ(ハートの池)(森洋史)』(2011年4月号)/日々雑感:よくわからないこと?!

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【Crossroad誌:掲載記事】『待ちぼうけ(ハートの池)(森洋史)』(2011年4月号)

森 洋史(Hiroshi Mori

作品タイトル:『待ちぼうけ(ハートの池)』

待ちぼうけ(ハートの池).jpg

白い靴の少女は一体誰を待っているのだろうか?お父さん?お母さん?友達?「待ちぼうけ」というタイトルからすると恋人なのだろうか?そういえば、「ハートの池」が何か妙に意味深なものにも思えてくる。ハートの池に映るぼんやりした影をみると、少女の姿かたちも気になるし、またどのような表情で待っているかも気になってくる。「靴」という当たり前な存在が、見る者の心の中のイメージと一体となって、様々なストーリーが、そこに生まれ、不思議な世界が拡がる。

日本の古典美や表現技法と現代的な表現の融合がテーマとのことで、大胆な構図と表現方法で、絵画という2Dの世界に、3D的な空間と時間の世界を表現することが試みられている。「待ちぼうけ」では、尾形光琳の作品がイメージされるが、そこにハートの池(そこに影や水紋)、蝶、蛙、蛇といった小動物という作者独自のモチーフが加わり、動きを感じさせる独自の空間が生み出されている。さらに、雨が加わることで、空間のみならず、時間の流れも感じるものとなっている。

テーマは日常的で身近なものだが、作品全体としては、凛とした緊張感が漂う幻想的な雰囲気が創出されており、また、伝統的な琳派の屏風絵に、絵本やアニメのかわいらしさを閉じ込めたような不思議な作品となっている。  

略歴:

 1977 東京都生まれ
2000
 東海大学教養学部芸術学科美術学課程卒業
現在 東京藝術大学大学院修士課程在籍 受賞歴:

2008
  第44回 主体展 佳作作家賞
2010  
シェル美術賞2010 本江邦夫審査員奨励賞

個展:

2010  kinosho kikaku + Gallery156(東京)
2011   Shonandai MY Gallery
(東京)

グループ展・公募展:
2009  シェル美術賞展2009 代官山ヒルサイドフォーラム(東京)
2010
  ワンダーシード2010 トーキョーワンダーサイト渋谷(東京)
   
  第28回上野の森美術館大賞展 上野の森美術館(東京)
  
  「PrologueVI」ギャラリー・アート・ポイント(東京)
   
  シェル美術賞展2010 代官山ヒルサイドフォーラム(東京)
   
   GEISAITAIWAN#2  台湾台北市華山創意文化園區(台北)
2011  
Resonance Effect - 共鳴効果-kinosho kikaku + Gallery156(東京)
       
朝日新聞厚生文化事業団主催「Next Art展」 朝日新聞東京本社(東京)
松屋銀座(東京)

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