HOME > 日々雑感:よくわからないこと?! > アート > 【Crossroad誌:掲載記事】『残像(佛淵静子)』(2011年5月号)
佛淵 静子 (Shizuko Hotokebuchi)
作品タイトル:『残像』(麻紙・墨・胡粉・岩絵具)
コメント:
「ナース」が太極拳(?)をしているのだろうか?何故、ナースなのだろうか?何故、太極拳(?)なのだろうか?また、この2つの組み合わせの妙が、気になって仕方ない・・・しかし、この作品には、そのような私の俗っぽい関心など寄せ付けない、とても清澄な空間が充填されていて、そこからは心地よいリズムが感じられる。
作家は、「人が何かをしているときのしぐさ、意識を一点に集中させている瞬間の表情、そのフォルムの美しさを切り取り、絵にしたい」という。「静から動へ」また「動から静へ」という連続した流れの中で、意識が集中して、忘我の瞬間が訪れる。ポーズそのものは、何かおかしみのあるもののように思われるが、そのような瞬間は、どの様なポーズであれ、どこか緊張感のある静溢な雰囲気に包まれる。
対象以外の余計なものを一切廃し、また、その対象は、淡々とした線で描かれる。これそのものは、何ら劇的なものではないが、その線は、「空間に切れ目を入れる」ことで作家独自の空間が生まれる。また、意識しているという小林古径の作品のように、余計なものをどんどんそぎ落としていき、そこから本源的なものを切り出そうとしているのかもしれない。それが、作家が言う「リアルとも違う実感」なのかもしれない。
略歴:
1974 東京都生まれ
1998 多摩美術大学美術学部絵画科日本画専攻卒業
2000 多摩美術大学大学院修士課程美術研究科日本画修了
入選:
2007 第18回臥龍桜日本画大賞展入選
2009 第44回昭和会展招待 <日動画廊>
個展:
2001 <ガレリアラセン>(東京)(同2002、2004開催)
2008 <柴田悦子画廊>(東京・銀座)(同2009、2010、2011開催)
グループ展(直近):
2007 『清田悠紀子・佛淵静子-動と静の境界-』<みゆき画廊>
2009 『Life展』<GALERIE SOL>(同2010、2011)
『男が描く男・女が描く女』 <柴田悦子画廊>(同2010開催)
2010 『男の墨・女の墨』 <柴田悦子画廊>(同2011開催)
『柴田俊明・佛淵静子-white vision-』 <GALERIE SOL>
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