【Crossroad誌:掲載記事】『女の子は何でできている?(篠原愛)』(2011年6月号)/日々雑感:よくわからないこと?!

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【Crossroad誌:掲載記事】『女の子は何でできている?(篠原愛)』(2011年6月号)

篠原 愛 (Ai Shinohara

作品タイトル:『女のコは何でできている?』(油彩、キャンバス)

110520_写真_女のコは何で出来ている?.jpgのサムネール画像

 

コメント:

きれいな絵だなと思い、近くに寄ってみて驚いた! 少女の裂けたお腹からは学生かばんの中身をぶちまけたように様々なものが飛び出している。ゼリービーンズ、チョコレート、ケーキ、ドーナッツ、デコを施した携帯電話、指輪、リップスティック、マニキュア、ぬいぐるみ・・・また、少女の内臓を食いちぎるワニや金魚、そしてそれを追いかけるように猫も飛び出してきている・・・

更に近寄ってみると、ゼリービーンズに交じって小さな花びらなども見つかる。

画面にはたくさんのものが描かれているが、実に細部にまできちっと描かれている。全体としては非現実の世界を描いているにも拘わらず、何故かその非現実の世界を不思議と自然に受け入れてしまうのは、何故だろうか?

篠原さんの作品には、「少女」「内臓」「動物」「花」などが登場する。作品を見ていて、何故か松井冬子さんを思い出してしまった。しかし、松井さんのように強いメッセージ性はそれほど感じられない。どちらも女性(少女)が登場するが、松井さんのように「ジェンダー」を意識させるものではないし、篠原さんによれば、少女はアニメを描いていた時からのものだという。

唯一メッセージ性のあるものとしてあげるとすれば、「生」への意識、であろう。他作品に登場する自傷の痕跡から自虐的な印象をもたれることもあるようだが、死に向かい合うことで生をよりポジティブにとらえ、受け入れていこうとしているように思われる。本作品でも、少女から飛び出した内臓からは花々が美しく成長し、蝶が舞うことで、生そしてその連続に対する望みや希望のようなものを感じさせる。このように対峙していくことで、様々なものが顕在化し、作品も変わってくるのかもしれない。

略歴:

1984   鹿児島県生まれ

2007   多摩美術大学絵画学科油絵専攻 卒業

個展:

2007       ギャラリーQ(東京)(5月及び12月)

2008     ギャラリーQ(東京)

 

Mehr Gallery (ニューヨーク)

 

2009       Gallery Momo Ryogoku(東京)

2011       Gallery Momo Roppongi(東京)

グループ展:

 

2007       The Party(Gallery Q)(東京)

 

2008       「三人展」(Mehr Gallery(ニューヨーク)

2009       「第28回損保ジャパン美術財団選抜奨励展」損保ジャパン東郷青児美術館(東京)

              Summer Group Show Hop Step Jump(Gallery Momo Roppongi)(東京)

 

2010       「再生 Part.I(Gallery Momo Ryogoku)(東京)

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