HOME > 日々雑感:よくわからないこと?! > 時事問題 > 生産拠点の海外移転は止まらない:国内産業でもうまく海外を取り込め!!
ここ暫くの急激な円高で、国内の空洞化が一段とクローズアップされていますが、国内企業による生産拠点の海外移転は、90年代からの大きな長期的な流れで、今に始まったことではありません。
当初は中国が移転先として選好されましたが、日中間の政治情勢などによって、度々、勢いが鈍ることはありました。しかし、トレンドは全く変わっていません。最近は、中国国内の人件費の高騰などで、タイ、ベトナムさらにはバングラデシュなどにも進出するようになっています。
日本国内では、高齢化や人口減少などによって、市場としての成長性は期待できないなかで、新興国が新たな「市場」として期待は大きく膨らんでおり、また、そこには安い労働力が存在するのですから、需要のあるところに生産拠点を移していくことは、企業としては当たり前の行動ということなりますし、そのような行動をとってきています。国内の産業空洞化は何も今に始まったことではないのです。
しかし、大企業は、海外に進出していけばよいでしょうが、大企業の下請け(あるいは孫請け)として仕事をしてきた中小企業はなかなかそうはいきません。中小企業でも、90年代以降、大手企業が海外に進出する中で、生産拠点を移したり、あるいは協力工場を持ったりということで、中小企業も様々な取り組みをしてきたのも事実ですが、(ここでは詳述しませんが)様々な問題があって、必ずしも成功したとは言い難い状況です。どちらかと言えば、ほとんどの企業が何らかの形でうまくゆかなかったという経験を持っているはずです。
ここにきて、受注がさらに減少し、利益率も低下し、後継者もいなくなり、経営が厳しくなり、倒産ではなくとも、その前に廃業する会社が増加しています。国内の製造業を底辺で支えてきた企業群が減少することで、ますます空洞化が加速するという悪循環も懸念されます。最近の新聞には、企業誘致を行うために、新たに補助金を出すというようなことも出ていましたが、今までも同様のことをずいぶん行ってきましたが、ほとんど効果はありませんでした。日本企業は6重苦を抱えているとも言われ、もはや国内企業の海外移転を止める手立てはないでしょう。
これからやらなければならないことは、国内に新たな仕事を作り出すことです。新たな成長が見込まれる産業を作り出すことは言うまでもありませんが、製造業においても、製造工程が海外に移転したとしても、新しい技術や新しい製品をを作り出すという部隊、あるいは製造するための製造工程を担う部隊などは必要ですし、これらこそが、古くから言われていた日本に求められてきたことでしょう。
国内市場では、全体のパイが大きくはなりませんので、競争がますます熾烈になってきています。ここで生き残るためには、釈迦に説法になってしまいますが、それぞれの強みを生かしていかなければなりません。製造業であれば、本当に国内でしかできないものを除いては、海外をうまく使って、例えば、協力工場を使ったりOEMを行うということも必要でしょうし、自社の商品ラインの中に、海外企業の製品を厳選しながら入れてゆくということもあり得るかもしれません。奇しくも、国内企業の海外移転を促していたのは進行する円高ですが、この円高をうまく使えば、部材などの調達原価を引き下げることが可能になります。中小企業の場合には、いきなり海外に出て行って、自前で工場を持ったり、あるいは海外で販売を行ったりというのは、リスクが大きくそう簡単な事ではないでしょう。しかし、部材や一部の製品を海外で調達することから始め、海外とのつながりも持っていくことで、また新たな展開が開けるのではないでしょうか?このまま何もしないでいることでは、企業の存続さえ望めません。
弊社では、中小企業さんの為に、部材の海外からの調達、OEMの紹介など様々なサービスをご提供しています。自社ではなかなか海外ビジネスのリスクはとりかねるということもあるでしょう。そのような会社さん向けに弊社が間に入ることで、海外を利用するメリットをご教授いただけたらと思います。ご興味ある方は以下ご覧頂けたらと思います。→K2Oの「ものづくり支援(コンサルティング)」
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