HOME > 日々雑感:よくわからないこと?! > 時事問題 > 過去に学ばない欧米先進国:ワシントン・コンセンサスの復活?
ギリシャに始まった欧州の債務問題は、依然として解決の糸口が見つからない。ギリシャについては、IMFも含めた形で救済策が策定されたが、結果的に、90年代以降の債務危機問題の解決策として米国中心に推し進められてきた「ワシントン・コンセンサス」と同様の政策が導入された。90年代以降の債務問題で明らかになったのは、ワシントン・コンセンサスの手法は解決策とはならないということだったはずだ。しかも、ギリシャをはじめとするEU加盟の欧州諸国についてはかつてのような自国の通貨を持たない国々だ。
かつては、成長戦略として、自国通貨安をてこにした輸出増加が期待されたが、現在欧州で問題になっている国々では、それは期待できない。
今春、ギリシャ問題が持ち上がった時、IMFのトップはストロスカーンだった。しかし、彼は、ニューヨークのホテルの女性従業員に性的暴行を加えてとして、逮捕され、失脚してしまった。ストロスカーンは、2008年1月のダボス会議において、(世界金融危機を乗り越えるために)「財政出動すべきだ」と発言して、従前の米国主導の「ワシントン・コンセンサス」とは異なる動きを見せ始めていました。当時、IMFは「It’s mostly fiscal.」(常に緊縮財政)というように言われるまでになっていました。そのIMFのトップであるストロスカーン氏から「財政出動」という言葉が出たわけですから、世界中が驚きました。しかし、ストロスカーンは失脚し(その後、彼の逮捕は冤罪であった可能性が高まっています)、ギリシャへの救済策はかつてのワシントン・コンセンサスと同様のものとなってしまいました。
本日(9日)から、G7がフランス・マルセイユで始まりますが、欧州債務問題には、どのような提案がなされるか注目です。しかし、残念ながら円高問題は真剣に議論されることはないでしょう。
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