HOME > 日々雑感:よくわからないこと?! > 時事問題 > 原発事故以降、リンゴの輸出が落ち込んでいる:まずはしっかりとした情報開示を!!
先日、長野を訪問しました。ローカル線の窓からはリンゴ畑が広がっているのが見え、早いものはすでに赤く色づいているものもありました。そのリンゴですが、海外に輸出をしようということで、多くの自治体や農家が、長きにわたって大変な努力をしてきました。特に、中国で富裕層が急増する中で日本の高品質のリンゴが高額でも売れるということで、その巨大な市場に向けて、様々な試みがなされてきました。ところが、原発事故以来、海外での売れ行きが大きく落ち込んでしまいました。http://www.asahi.com/national/update/0813/TKY201108130160.html今年の初物については全く売れなかったそうです。
(注)日本のリンゴで海外に輸出されているものは、ほとんどが青森産です。市場としては、現在、中国が注目されていますが、今まではほとんどが台湾・香港などでした。余談ですが、中国が日本の農産物の輸出市場として注目されて久しいのですが、現在輸出できるのは、リンゴとナシだけです。お米は、ご存知のように、枠などの問題があります。詳細はまた別の機会に。
農産物に限らず、海外からの観光客なども大きく落ち込んだままです。観光庁が「嵐」を使ってPRビデオを作成して流しているようですが、効果が上がっているかどうかはよくわかりません。(関連情報としては、次をご参照ください。→「「嵐のPRビデオ」は「日本のイメージをおとしめる」ためのもの?:外国人記者が痛烈なコメント」
農家の方々には大変お気の毒と言わざるを得ないのですが、海外から見ればある意味止むを得ない面もあります。その理由は、何が正しい情報かわからないからです。日本政府からは、「安全・安心」というコメントばかりですが、海外では、その逆に、日本政府に危険性を訴えてもっとしっかりとした対応を迫るようなものまである状況です。情報が錯綜する中で、日本は知っていても、福島と東京の位置関係も全くわからないような人たちにとってみれば、心配になるのはやむを得ないでしょう。
大丈夫だということを理解してもらおうとすれば、(本当はまず最初に日本国民にそれを示してもらいたいのですが)、日本政府が、一体何か本当なのかを知らせることで、情報をしっかりと開示することです。また、そうでなければ、政府に対する信頼感は醸成されません。国内でガイガーカウンターが飛ぶように売れて、品切れになっているなどという状況が起こること自体がおかしいと思われます。国内ですらそうなのですから、海外で不信感が高まるのは仕方ありません。
日本政府は、わけのわからないPRビデオを作るのではなく、また、ただ「安全・安心」と連呼するのではなく、しっかりと情報を開示することです。情報があれば、あとはそれに基づいて理解が進むはずです。
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