HOME > 日々雑感:よくわからないこと?! > 時事問題 > オバマ・野田会談の内容は如何に?:「普天間で結果出す時」オバマ発言を総理が否定
野田首相とオバマ大統領の首脳会談で、オバマ大統領が、普天間問題に「結果を出す時がきている」と強く迫ったとされることを、野田首相は否定したとのこと。野田総理は、オバマ大統領からは「進展を期待している」と言われただけだと強調した。しかし、実際はどうだったのか?http://news.tv-asahi.co.jp/ann/news/web/html/210923012.html
政府発表は、かつての大本営発表ほどひどくはないが、海外での会見内容について、脚色して報道することが少なくない。昨年の尖閣諸島問題では、当時の前原外務大臣が、クリントン国務長官との会見内容を事実とは違う内容を伝え、中国側をかえって刺激することになった。その後の、前原氏の対応はみなさんご存知の通りで、非常にがっかりさせられた。
今回の首脳会談はどうだったのか?以下、White HouseのPress Briefing(首脳会談後のカーニー大統領補佐官によるもの)のリンクを張る。http://www.whitehouse.gov/the-press-office/2011/09/22/press-briefing-press-secretary-jay-carney-and-deputy-nsa-strategic-commu
日米両首脳の会談については、一番最初の報告されている。しかし、非常に短い報告で、ここでは「様々な議題について議論した」くらいのことしかわからない。質疑応答が始まって、そのほとんど最後のところで、「沖縄については擬態的に何が話し合われたのか?」という質問があり、回答がなされている。以下、その内容を添付する:
On Okinawa, I think we just want to see a resolution to the issue that is in line with the interests of our alliance and the agreements that we have. So I think that it was very much in line with the position the U.S. has taken with successive prime ministers. And we believe that it’s important to the alliance going forward to implement those agreements and to move forward.(下線は筆者)
会談の内容はどのようなトーンで行われたかはわからないが、少なくとも野田首相が言っている「進展を期待している」というだけでなく、「resolution」(結果)であり、「alliance」(同盟)にとっては「implenment those agreements」(約束事項を履行する)ことが「important」(重要)だと言っている。
その後の報道では、「結果を出す時がきている」報道が野田政権には好ましくない内容だったからだろうが、オバマ大統領が、「彼とは一緒に仕事できる」と発言したという報道がなされている。http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20110923-OYT1T00516.htm
しかし、何か勘違いしていないだろうか?この大統領の発言は、「しっかりと実行してくれ」あるいは「しっかりと実行してくれそうだ」ということだろう。普天間問題では、直近でも仲井間知事が反対意見を表明しており、解決の糸口は全く見えない。鳩山・菅と口先だけの首相が続いた後で、ここでまた何もできないと本当に米国の信頼を失うだろう。(もうすでに失っているかもしれない)
これは何も外交問題に限ったことではない、民主党政権が誕生してから、選挙を経ずに菅・野田と新しい首相が誕生した。民主党は当初のマニフェストは何も守ろうとせずに、変節を繰り返してきた。政治家が自らの口から出た言葉を守らないということに対して、国民はどのような対応を取るべきなのだろうか?我々自身も自らの頭でしっかりと考えなければならない。
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