SMAPの中国公演が本日やっと実現か!!:中国側のサインを見落とすな/日々雑感:よくわからないこと?!

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SMAPの中国公演が本日やっと実現か!!:中国側のサインを見落とすな

SMAPの中国公演が今日やっと実現することになった。

SMAPの中国公演は、今までも計画されたが、図らずも中日間の外交問題で、中止されてきた。昨年は、尖閣諸島における中国漁船と日本の海上保安庁巡視船との衝突事故が起きたのをきっかけに、両国関係は悪化し、中国は昨年9月、SMAPの上海公演のチケット販売を中止した。さらに、その前、昨年6月に行うはずだった上海万博での公演も、警備上の問題を理由に中止されてしまった。

昨日は、唐家璇前国務委員とSMAPの会見が行われ、温家宝首相からのメッセージも伝えられた。会見は、北京の人民大会堂で行われるという、政治指導者なみの対応が行われた。温家宝首相は、本年5月に行われた日中韓の3カ国首脳会談のため来日した際に、SMAPと面談し、中国で歌を聞かせてくれるよう依頼し、両国の「調和」を訴えていた。

来年は、米国はじめ世界の多くの国で新たな政治指導者が選ばれる年だ。中国も例外ではない。このままいけば、胡錦濤国家主席の後任は習近平氏が、温家宝首相の後任には李克強氏が選ばれる可能性が高い。そのため共産党内部での権力闘争についての論評は盛んに行われている。一般的には、胡錦濤氏の出身母体である共産党青年団(共青団)と、前国家主席だった江沢民氏を中心とする上海閥(江沢民氏は本年死亡説が流されたりしている)、習近平氏の支持母体と言われる太子党(革命第一世代、第二世代の子息)の3つのグループがあげられる。

中国国内の問題をこれら3つのグループの権力闘争によって説明しようとする議論は非常に多い。また、それらの説明が非常に単純化されるので、ある意味わかりやすいのも事実だ。今回のSMAPの公演をめぐる話も、この議論で説明すれば、胡錦濤氏が進めてきた日中友好という流れにたいして、それ以前に日中の対立を煽ることで国内の支持を取り付けてきた上海閥との抗争が来年の人事をめぐって激しくなっているという見方もできる。太子党も最近は人民解放軍の内部での台頭が目立っている。また、それを陰で支えているのが上海閥だと言われている。

昨年の、尖閣諸島問題も胡錦濤氏などには事前に知らされずに、軍の一部の人間が主導したとも言われており、この3派の争いが激しくなっていうという。

今回のSMAPの公演及びそれを前にした指導部の対応は、日中関係がぎくしゃくする中で、なんとは「日中友好」を前面にだして、政治的なパフォーマンスを狙ったものだという見方もできる。日本も、民主党政権のこの2年間で、外交は地に落ちてしまった。日本にとっても、日中友好を訴えるには非常に良い材料だ。中国側のサインを見落とさないようにしたほうが良い。

しかし、残念ながら、中国の政治状況が、3派の争いだけですべてが説明できるような簡単で単純なものではないことも事実で、それを行うことは非常に危険な事でもある。これからは中国国内の政治状況からは目が離せない。

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