HOME > 日々雑感:よくわからないこと?! > アート > 【Crossroad誌:掲載記事】『○○ごっこ』(Make-Believe Play)(熊澤未来子)(2011年10月号)
日本語と中国語のバイリンガル・マガジン『Crossroad誌』10月号に以下の記事が巻頭エッセーとして掲載されましたのでご紹介させていただきます。
毎月このような形で同誌の『巻頭エッセー』として、日本の若手アーティストを紹介する記事を書かせていただいております。同誌は、中国の華南地方(主として 広東省と香港)を中心に、ビジネス情報を主体としてはいますが、文化や芸術等様々な情報を発信している雑誌です。編集部は、現在夏季ユニバーシアードが開 催されている広東省・深圳市にあります。
今回は「熊澤未来子」さんの「○○ごっこ」(Make-Believe Play)という作品です。
現在、熊澤さんの展示会が以下の場所で開催中ですので、ご興味のある方はぜひご覧ください。
熊澤未来子展「27」(第一生命ギャラリー)http://mizuma-art.co.jp/new/1317129362.php
熊澤未来子展(gFAL/FAL)http://www.musabi.ac.jp/topics/exhibition/gfal/
熊澤 未来子(Mikiko Kumazawa)
作品タイトル:
『○○ごっこ』(Make-Believe Play)
コメント:
高層ビルに多くの人がよじ登っている。ビルによじ登っているものは、それぞれ銃などの武器を持って殺し合っているようだ。ビルの下の方では、男の死体も見られる。遠くの方では、高層ビルの上に、少し小さなビルを積み重ねようとしている人たちがいる。逃げようと、高層ビルから他のビルに飛び移ろうとする男、またその男を捕まえようと追いかける男。登場人物はいずれも真剣そのもので、『○○ごっこ』というタイトルのイメージとは正反対だ。
全体としては非現実的な世界が描かれているようなのだが、部分部分は非常に細かい書き込みがされている。登場する人物も高層ビルもそれぞれモデルがあるのかもしれない。そのように考えると、左側の男がよじ登っているのはニューヨークのクライスラー・ビルのようにも見えてくる。それぞれの登場人物が非常の細かく書き込まれ、それらにはどれも非現実的なストーリーが与えられているようなのだが、それらが集められることで、妙な事だが、より現実に近い、あるいはより現実ではないかと思わせるような世界が出来上がっている。
満員電車で、前に立っていた男に足を踏まれ、詫びの一言も言わない男に、突然、殴りかかりたいような衝動に駆られたことがある。普通の人は、もちろん、それは想像だけの世界で終わるが、都市生活にはそのような人々のどうしようもない衝動や、あるいは欲望があふれている。作者は、現代社会に生きる人々の衝動や欲望を、あえて非現実的にデフォルメした形で描くことで、現実に迫ろうとしているかのようだ。
略歴:
1983年 愛知県生まれ
2008年 武蔵野美術大学大学院美術専攻日本画コース終了
主な個展:
2008年 「Paranoid World」 (Gallery Art Composition、東京)
2009年 「第1回世田谷区芸術アワード“飛翔”受賞発表 熊澤未来子作品展」 (世田谷美術館区民ギャラリー、東京)
2010年 「熊澤未来子展」 (ミヅマ・アクション、東京)
2011年 「27」 (第一生命ギャラリー、東京) (10月3日(月)-11月10日(木)開催予定)
「熊澤未来子展」 (gFAL、東京) (10月8日(土)-11月12日(土)開催予定)
受賞歴:
2008年 「カウパレード東京m丸の内2006」入選
2008年 「武蔵野美術大学大学院修了制作」優秀賞
「第7回菅楯彦大賞展」(倉吉博物館)佳作
「世田谷区芸術アワード“飛翔”2008」
2011年 「第14回岡本太郎記念現代芸術大賞」入選
「VOCA展2011」佳作
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