HOME > 日々雑感:よくわからないこと?! > 時事問題 > 農水省が農地大規模化の方針:しかし政策は「ちぐはぐ」
そうは言いながら、農家への戸別補償制度向けに来年度も8000億円の予算を組んでいる。
野田政権になって、環太平洋経済連携協定(TPP)への参加について検討するということになった。農業の生産性向上はこのTPPなどのFTA対策として議論されることが多かったが、しかし、TPPに参加する・しないにかかわらず、このままでは日本の農業が「絶滅」しかねない。記事の中にもあるが、1人当たりの生産額は1600ドル(約120万円)にすぎず、専業農家は30%を下回り、兼業農家がほとんどという状態だ。つまり、極論すると、今や日本の農業が「家庭菜園の延長」ともいえる状況だ。また、そのような状況であるので、後継者もおらず、このままでは何もしなくても日本の農業は衰退する。
農地の大規模化を図るのであれば、現在の「バラマキ」戸別所得補償制度を改める必要がある。大泉宮城大学副学長が指摘するように、この制度は「ブレーキとアクセルを同時に踏んでいる」ようなものだ。
現在のこの制度は、民主党の小沢氏が最初に出した内容とは似て非なるものだ。小澤氏は戸別所得補償制度とTPPを結び付けて提案していた。つまり、TPPに参加して、関税をゼロにする。そして、また、減反政策も廃止する。また、減反政策も廃止する。それによって、影響を受ける農家は、効率化を進めざるを得なくなる。そして、本気で農業に取り組もうという農家に対しては、生産コストと販売額の差額を保障しようというものだった、はずだ。
しかし、民主とは票欲しさに、換骨奪胎して「バラマキ政策」に転換してしまった。
今回の農水省の方針も、おおもとの政策の抜本的な見直しがない限り、口先だけのものに終わるだろう。
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