HOME > 日々雑感:よくわからないこと?! > 金融・経済 > 米国企業に中国撤退の動き:米国はいよいよ選挙の年に
米国企業に中国撤退の動きが出てきたという。http://j.people.com.cn/94476/7613532.html
これは、「メードインUSA」のコスト的優位性に対する認識が広がり、生産を中国から米国に移す動きが出てきたというものだ。
確かに、中国国内の人件費の高騰などで、以前のように、中国での生産が「とにかく安い」という状況ではなくなってきている。中国企業でも、かつての米国や日本のように、海外に生産拠点を移す動きが出てきている。隣のベトナムもそうだし、バングラデシュやミャンマーなどもその候補地となっている。もともと東南アジアなどでは華人がその経済の中枢を担っていることもあり、中国企業が進出するのは、日本企業などが進出するよりも容易だ。
最近は、フォードが1万2千人分の雇用をメキシコと中国から米国に移すことを発表した、という。グローバル化が進む中では当然の動きで、それぞれの企業が、その戦略に従って、どこで生産を行うべきかを決定していくので、グローバル化の中では、一律に、中国が良いとか、米国が良いとかと言った、二者択一の動きではない、はずだ。
米国では、オバマ大統領は5年間で輸出を倍増するという計画を発表している。それによって、200万の雇用を創出するとしてきた。また、成長戦略の一環として、再生可能エネルギーの育成が叫ばれたりもしてきた。しかし、これは、最近になって、うまくいっていないことが報じられている。
来年の大統領選挙に向かって、米国はいよいよ政治の年になる。今回のニュースはボストン・コンサルティングの調査に基づくものだが、この調査では、今回の動きによって、米国内で200万から300万の雇用が生まれる見込みだ、としている。オバマ大統領が掲げる200万の雇用創出の数字と図らず一致する。
最近、米議会で対中国為替制裁法案の審議が行われるなど、米国の中国に対する人民元切り上げ圧力が高まっている。法案は成立しないようだが、成立させることが目的ではなく、あくまでも中国に揺さぶりをかけることが目的で行われている可能性が高い。(尚、今回のニュースを人民網が発信していることからして、米国の人民元の切り上げへの圧力を緩和しようという中国政府の意図も考えられる。)
今回のボストン・コンサルティングの調査がそうだとは言わないが、選挙の年に向けて、政権に有利になるような情報を流そうという動きが活発化する可能性が高い。
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