HOME > 日々雑感:よくわからないこと?! > 時事問題 > 「パンドラの箱」というタイトルの田坂氏の講演:信頼の回復に必要なものは?
Youtubeに田坂広志・前内閣官房参与の日本記者クラブでの講演が掲載されています。「パンドラの箱」というタイトルで、福島第一原発事故を受けて、今後何が問題になるのか、そして解決のために何が必要なのか?ということを話したものです。http://www.youtube.com/watch?v=bMRD3p2nuuI&feature=player_embedded
前菅内閣時代の内閣官房参与ということで、実際に事故対応にも関与していた人だけに、話の内容はよくまとまっているし、現在の問題点の整理としては、非常にわかりやすいものだった。現在の根拠なき楽観論を戒めるとともに、今後は高濃度放射性物質の処理の問題が避けられないとして、それらを解決していくためには、政府・行政が国民から信頼を得なければならないというものです。
1時間余りのものだが、興味のある方は是非ご覧いただきたい。
今後の対応(福島第一原発だけでなく原子力行政全般)で、必要な事として、「安全・安心」はもちろんだが「信頼」が重要、というのは全く同感だ。
しかし、私個人として違和感を覚えたのは、政府と行政に対する信頼が失われたのが、原発事故が起きてしまったため、としていることだ。私個人としては、事故が起きてしまったことは10000歩下がって認める(時間を戻すことは出来ないという意味で)としても、事故後の対応(今現在も含めて)自体が問題だと考えているので、前菅内閣が行った事故後の対応が適切であったかのようなことを平気で言われること自体に違和感を感じざるを得ない。
実際に、同じ内閣官房参与だった小佐古氏は政府対応の問題を指摘して辞任をしている。ここで田坂氏を批判しても意味はないし、田坂氏が言っている「現在の根拠なき楽観が問題」という指摘は全くその通りだと思う。ただそこに、事故後の政府・行政の対応が、国民のイノチを守るという観点からはかなりずれたものであったのではないか?という反省も今後の対応としては重要ではないかと個人的には思うのですが、如何なものでしょうか?それこそがまさに田坂氏の言う「信頼」の回復につながるのではないかと思います。
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