HOME > 日々雑感:よくわからないこと?! > 時事問題 > 払い過ぎの年金7兆円、減額が予算編成の焦点に :「微調整」も必要だが、もっと根本的な「世代間調整」を
「年金減額」という言葉が新聞紙面に載るようになった。今までは出ても極めて小さな扱いだったが、政策仕分けでも取り上げられた問題だ。
これは過去の物価下落時に支給額を下げなかったために払い過ぎになっている「特例水準」を本来水準に戻す目的で年金を減額するというもので、いわゆる「物価スライド」と言われるものだ。
本来、公的年金では、物価スライドを適用することになっているのだが、ここ10年以上にわたって、適用されておらず、このために7兆円余りが払い過ぎの状態となっている。http://www.nikkei.com/news/category/article/g=96958A9C93819691E0E6E2E29A8DE0E6E3E3E0E2E3E39C9CEAE2E2E2;at=ALL
「年金減額」といっても、これはあくまでも政権与党が国民の支持が低下することを恐れて、本来行わなければならない物価スライドという時々の「微調整」を行わなかったがために、払い過ぎになっているというものだ。しかし、「年金減額」というのであれば、もっと本質的な、年金の給付額そのものが適正な金額であるかどうかを議論しなければならないはずだ。
野田首相は、増税を行うための方便として「次世代にツケを先送りしない」というようなことを言っている。しかし、この年金問題の方が問題はより深刻だし、実際問題として「世代間の負担」がきわめて偏った形になってしまっている。高齢者の方々には、大変申し訳ないのですが、現在の賦課方式を現状のまま維持することはもう不可能です。受給年齢をさらに遅くするということなども検討されていますが、それよりも前に、物価スライドというような「微調整」ではなく、もっと根本的な「世代間の負担」についての見直しをするべきではないかと思います。
年金関係については、以前のブログももしよろしければご覧ください。
→→「年金支給開始年齢引き上げ先送りへ:しかし、そもそも論として、約束が違いすぎるのでは?」
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