南シナ海が中国領でないように、尖閣は日本の領土ではない。未来を見据え、道義的自覚で平和構築の模範を示せ。/新井信介 「京の風」

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南シナ海が中国領でないように、尖閣は日本の領土ではない。未来を見据え、道義的自覚で平和構築の模範を示せ。

  今、尖閣に、中国の漁民が多くの船団を出しています。

どのくらいなのか? 私には、人工衛星からの観測装置がないから、正確には判らない。

南シナ海の領有が、ハーグで、否定された中国は、

 彼らの言う、もう一つの「核心的利益」を是が非でも守るために、

 今、尖閣に、行動を起こしています。

ただし、中国軍が表だって軍事行動をおこすと、日本に攻撃の理由を与えることになります。

 

一方、安倍政権では、尖閣に、漁民を装った中国軍が、尖閣に上陸している、と認識したとき、

 自分から、攻撃できるようにと、これまでも、法改正を急いできました。

 

これらはすべて、ポツダム宣言受諾後も、尖閣について、日本の領土とする、日本側の主張がベースになっていますが、これは、完全に独りよがりのものです。

 尖閣に対しは、 日本に、施政権はあっても、領有権はない。 

   ・・・これが、国際関係での基本です。 そのうえで、

 この問題は、「日中の両者で話し合え。」

これが、オバマが2013年に出した結論であり、国際社会の一致した意見でしょう。

中国側の領有権主張を一切認めず、尖閣を日本の固有の領土と言い続けてきたのは、

安倍内閣はもちろん、外務省の中でも、日中の深部を知るチャイナスクール ではない人間です。  

尖閣の問題は、沖縄返還時に、アメリカ(キッシンジャー)があえて残していた、日中紛争の根でした。

安倍政権は、憲法改正を目指し、「有事指定」なりで、自衛隊を日本国から自発的に出動できる体制を、強引に整えてきたのですが、 

 相手が、中国の漁民では、海上自衛隊では、ないでしょう。 

中国にすれば、(自国領である)尖閣に行った自国漁民に、日本の軍事力が及んだ段階で主権侵犯となり、自衛隊の艦船に、一斉にミサイル攻撃する構えでしょう。 

 その場合、どこまで、戦火が広がるのでしょうか? 

 そのとき、アメリカは、自衛隊を護るのでしょうか? ありえない。

  「話し合えと言っていたのを、先に手を出したじゃないか。しかも、軍事力で・・・」 

 いや、日本がそうすることに、誘導させたがっているのが、アメリカの戦争屋なのです。 

 

ではどうするか、どうすべきか?

 

 南シナ海も含めて、 尖閣も、国際的な共同管理 にすればよい。

 これを、日本から言い出す。

 これは、日本国政府の尖閣領有の主張を取り下げることを意味しますが

 日本が、この領海問題で、主導権を確立することができます。

 

そして、なにより、この問題を、誰に、ゆだねるべきか?

それは、

 21世紀の主役である、アジアの若者たちです。 

 中国・台湾・沖縄・日本・香港・アセアン各国の若者に、この地域を、どう活かすか、

 彼らに、話させる。 

現状の国家主権による、紛争・衝突が、軍事的な衝突になったとき、

 そこで、もっとも失われるのは、未来ある、有為の若者たちのイノチなのです。

 彼らは、未来の宝。人類の希望です。無限の可能性があります。国籍も、民族も、関係ない。

 若者たちに、未来を、話させる。選ばせる。 未来を、創らせる。 そこで、生まれる普遍的な価値。

 

 岸田外務大臣よ。

 日本は、ヒロシマ・ナガサキに原爆を受けながらも、戦後70年間、

 戦争の最終手段となった、核兵器そのものを否定してきた。

 その人たちこそが、今、人類73億人の中で、道義的自覚の先頭 を走っている。

 我が日本国、日本民族の、誇りであり、オバマが広島訪問時に、世界に宣揚した人類史的意義だ。

 これが、世界中から認められていることを、忘れてはならない。

 

今こそ、普遍的価値である道義的自覚を、この日本から、未来に向けて、より強く発信すべきではないでしょうか。

 

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