HOME > 新井信介 「京の風」 > 気まぐれ日記 > 「日本が世界で一番安定」とは、奢りも甚だしい安倍の「お仲間」たち。
こんにちは。
私は基本的に、フジサンケイグループの報道に接するときには、表面の事実をダシにした、「願望の表れ」と思ってきましたが、
今朝の報道21で、安倍政権の露払い役の下村博文を前にして、金美麗が、「今、日本が世界で一番(政治的に)安定している」と言い放ったことに、大変な違和感、不快感を感じました。野党がだらしないので、とりあえず、安定だという程度のことで、「ホ」の現実をまったく考慮せず、国民のイノチがこれまでの制度で急速に蝕まれていることや、これから何が待っているかがまったく考慮されていないことに、これまで以上にあきれかえり、絶望しました。
事の起こりは、トランプが12月2日に台湾の蔡英文総統に電話したことから、番組の参加者が、大陸中国からの台湾の防衛に、集団的自衛権で日本が出動するのか、の話になっていった流れでのことでした。
トランプは今月20日に就任するまでは、国家権力ではまだ政治的には何の権限もないビジネスマンです。就任前にツイッターでいろいろ発言するのは、十分に意図したものであれ、観測気球です。これは、これからの政治ショーのプロレス流の脅しです。
自動車工場建設など雇用に直結する問題については、十分、真剣に取り合う必要がありますが、国際情勢については、相手のあることで、反応を楽しんでいるのです。これまでの枠組みを変えていく。これは間違いないことですが、これが、なぜ、台湾防衛論で、日本の軍事出動の話になるのか、まったく短絡的です。
さらに、このグループは中国の国内経済について、中国の株式市場の推移から国民経済がダメと断定しますが、さてそうなのか。一体何人が株をやっているのか? 15億の人民たちの幸福感、財布の中身、未来への希望はどうなのか?
不正に蓄財したものは当局からの没収を恐れて、どんどん逃避場所、逃避手段を模索し、これにビッドコインが使われるのでしょうが、そんな不正蓄財もなく、国内外の旅行や、家や自動車の購入に、消費を考える人間はどうなのでしょう。もっと、質の高い文化レベルの生活を実現したい人間にとっては、お手本がすぐ近くにあり、しかも自分が手にしているマネーで、学習・吸収で十分に味わえる。
一方、日本は年金まで使って国策的に株式をつり上げ、さらに、トランプ期待で株価は上がっていますが、国民の生活と心の中は、どうでしょう。賃金はまるで上がりません。突然死が増えています。何かを買う、という消費行動での、未来の希望がまるで見えないのが日本です。
日本は、これまでとは異なった価値観・幸福感に、今、転換中です。
今の、一見安定に見えるのは、「生活するのがやっと」の日本人にとって、無駄な騒ぎをおこしたくない、ただでさえ収入増大の未来が見えず、しかも、生命の危機がすぐそこにあるとの意識がもたらしているのではないか。
その希望なき諦観のなかでも、メディアはなんとか「賑わい」を探し出す。これが、厳しい競争の中で鍛えられた結果の現象で、外国人をも魅了するコンテンツであるというだけ。
大地に根ざした、イノチある祭りではなく、すぐにも割れそうな「薄氷の上の踊り」であることが、このメディアの人間、特に、安倍のお仲間たちにはわからない。
安倍は12月15日、プーチンを山口に迎えたときには、そこに高級コンパオンを20名用意していた。肝心な経済制裁や日米同盟、領土問題について、最適解を、真剣に希求するのではなく、その場しのぎのお色気で、なんとか成果を得られると単純に考えていた。
そんなお馬鹿だから、アメリカの戦争屋にいいように使われていたのが、いまだに、判っていないのです。国家の経営資源をどこに向けるか、彼らの優先順位は、他人のイノチをとても感じ取れるものではなく、失敗続きの事実を伝える情報には耳をふさいで、「日本は凄い、自分たちは金持ち」という頭の中で、身内にマネーを配った繁栄だけを見て酔いしれているのです。
いつまで、続くかな。
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