決議の詳細
採択された決議はまず、今月3日に北朝鮮が行った核実験は、国連安全保障理事会の決議違反であることと、平和と安全への脅威になっていることに、深刻な懸念を表明しています。
ただ当初、草案に盛り込まれていた、北朝鮮への原油の輸出を全面的に禁止することやキム・ジョンウン朝鮮労働党委員長の資産の凍結は除かれ、このうち原油については過去1年分に相当する量の輸出を認める、事実上の現状維持に等しい内容に修正されました。
また、当初は、アメリカのトランプ政権がことし6月に金融制裁の対象に加えた北朝鮮の朝鮮人民軍と国防省に当たる人民武力省を制裁対象とすることが盛り込まれていましたが、いずれも除かれました。
これはアメリカが、決議の採択を急ぐため、制裁に慎重な中国やロシアに譲歩したものと見られています。
一方で、決議は貿易の分野で制裁を広げていて、北朝鮮への天然ガス液の輸出や北朝鮮からの繊維製品の輸入を禁止しています。また各国に対して、北朝鮮が外貨を獲得する手段にしているとされている出稼ぎ労働者に新規に就労許可を与えることを禁じたり、制裁対象の物資を運搬している疑いのある貨物船を公海上で検査することなども求めています。
中国「各国は冷静さ保つべき」
新たな制裁決議の採択を受け、演説した中国の劉結一大使は冒頭、北朝鮮の6回目の核実験を強烈に非難すると述べました。そして「中国は朝鮮半島の非核化は対話と協議によって実現すべきだという立場を堅持している」としたうえで、「最近の朝鮮半島の情勢は複雑かつ敏感であり、各国は緊張を高めるような発言や行動を避け、冷静さを保つべきだ」などとこれまでの主張を繰り返しました。
また、アメリカに対し、「北朝鮮の体制の交代や政権崩壊を求めず、半島の統一を急がず、軍隊が軍事境界線を越えることがあってはならない」と述べ、けん制しました。
国連の安全保障理事会が北朝鮮に対する新たな制裁決議を全会一致で採択したことについて中国外務省の耿爽報道官はコメントを発表し、「朝鮮半島と地域の平和と安定を守り、非核化のプロセスを推進するとともに、国際的な核不拡散体制を維持するという安保理のメンバーの一致した立場を反映させたものだ」として評価しました。
そのうえで、決議が6か国協議の再開を支持することなど、外交的、政治的方法による解決を呼びかけていることにも触れ、「中国は、決議の内容が全面的かつ完全に実施されることを望む」として対話による解決の必要性を強調しています。
さらに、北朝鮮に対しては、安保理決議を順守し、核・ミサイル開発をこれ以上進めないよう求めるとともに、アメリカや韓国などに対しては情勢をさらに複雑にする行動をとらないよう求めています。
そして、「朝鮮半島の問題は必ず平和的に解決しなければならず、軍事的な解決に出口はない。中国は、朝鮮半島で戦争や混乱が起きることを絶対に許さない」として、名指しは避けながらも軍事行動を排除しない姿勢を打ち出すアメリカを強くけん制しています。
韓国「国際社会の厳しい警告」
国連の安全保障理事会が北朝鮮に対する新たな制裁決議を全会一致で採択したことについて韓国外務省は声明を発表し、「国際平和と安全に対する重大な挑戦である北の無謀な核開発を決して認めないという国際社会の強い意志を改めて表明した」として歓迎しました。
そのうえで、北朝鮮に対して「相次ぐ挑発行為は外交的な孤立と経済的な圧迫を深めるだけだという国際社会の厳しい警告を深刻に受け止めなければならない。非核化のみがみずからの安全と経済発展を保障する道だということを理解するべきだ」として核開発を速やかにやめるよう求めました。
国連の安全保障理事会が北朝鮮に対する新たな制裁決議を全会一致で採択したことについて韓国大統領府のパク・スヒョン(朴洙賢)報道官が声明を発表し、「これまでよりも強力な制裁が必要だという国際社会の共感と全幅の支持を意味する」として歓迎しました。その上で、「国際平和に対する無謀な挑戦は、さらなる制裁を招くだけだということを自覚しなければならない。外交的な孤立と経済的な圧迫から逃れる道は完全かつ不可逆的に検証可能な核廃棄のための対話の場につくことだけだ」と強調しました。
首相「全会一致の採択を高く評価」
安倍総理大臣は午前8時50分ごろ、総理大臣官邸に入る際に記者団に対し、「北朝鮮に対する格段に厳しい制裁決議が迅速に全会一致で採択されたことを高く評価する。今後、国際社会でしっかりとこの決議を履行していくことが求められる。北朝鮮に対し、これまでにない高いレベルの圧力をかけ、北朝鮮の政策を変えさせることが大切だ。そのために今回、国際社会が連携・連帯し、明確な意思を示すことができた。今後も各国と緊密に連携しながら、北朝鮮の政策を変えさせるべく日本もそのリーダーシップを発揮していきたい」と述べました。
官房長官「全会一致での採択を歓迎」
菅官房長官は閣議のあとの記者会見で、「核実験から1週間余りという短期間に、北朝鮮に対する格段に厳しい制裁措置を科す、極めて強力な安保理決議が全会一致で採択されたことを歓迎する」と述べました。そのうえで菅官房長官は、「今回の決議では初めて、北朝鮮への原油・石油の供給量の上限が設定されるなどしており、今回と過去の決議を完全に実施した場合、北朝鮮の輸出による外貨収入の約90%の削減が見込まれる。引き続き日米韓で連携しつつ、中国・ロシアとも協力し、決議の完全なる実施の確保のために力を尽くしたい」と述べました。
また菅官房長官は、記者団が、日本の独自制裁をさらに強める考えがあるかを質問したのに対し、「安保理決議に対する北朝鮮の反応を見極めながら諸懸案の解決のために、どのような圧力を強化することが最も効果的かとの観点から今後の対応を検討したい」と述べました。
河野外相「決議採択を歓迎」
河野外務大臣は6回目の核実験を強行した北朝鮮に対し、国連安全保障理事会が新たな制裁決議を全会一致で採択したことを受けて、談話を発表しました。
それによりますと、「今回の核実験および累次の弾道ミサイル発射をはじめとする北朝鮮の挑発行動は、これまでにない重大かつ差し迫った脅威だ。今回の安保理決議の採択は国際社会全体として、北朝鮮に対する圧力を強化しなければならないとの考えで一致したことによるものとして歓迎する」としています。
そのうえで、「決議は北朝鮮に対する圧力を従来にない新たな段階に引き上げるものだ。アメリカをはじめとした関係国とも緊密に連携しながら、すべての国連加盟国に対し、新たな安保理決議を含む関連決議の厳格かつ全面的な履行を働きかけていく」としています。
そして、「引き続き『対話と圧力』、『行動対行動』の原則の下、核・ミサイル・拉致といった諸懸案の包括的解決に向けて、アメリカ、韓国をはじめとする国際社会と緊密に連携し、積極的に取り組んでいく」としています。
防衛相「国民の安全・安心に万全を期す」
小野寺防衛大臣は閣議のあとの記者会見で、「北朝鮮はアメリカに対してそれ相応の代価を支払うようにする旨の声明を発出するなど、さらなる挑発行動に出る可能性も否定できない。強固な日米同盟のもと、高い緊張感を持って高度な警戒監視態勢を維持しつつ、国民の安全・安心に万全を期す」と述べました。
そのうえで、小野寺大臣は、「今回の決議には、北朝鮮による、さらなる核実験、または弾道ミサイル発射があった場合には、さらなる重要な措置をとるという表明がある。今後、北朝鮮の動向に応じて制裁決議をさらに強化し、石油の問題にも各国が足並みをそろえて対応していくことが必要だ」と述べました。
各国の国連大使が議場で意見述べる
北朝鮮に対する新たな制裁決議の採択を受けて、各国の国連大使が議場で意見を述べました。
このうち、決議を主導してきたアメリカのヘイリー国連大使はまず、「今回の決議はトランプ大統領と中国の習近平国家主席の間で築かれた強い関係がなければ成し得なかった」と述べ、中国側に謝意を示しました。
そのうえで、「北朝鮮が核兵器を世界中のどこへでも運搬する能力を持ち核の兵器庫となる道を突き進むのを止めなければならない。私たちは戦争を求めてはいない。北朝鮮は後戻りできない段階には達していない。もし核開発を停止することに同意するなら、国の未来を取り戻すことができる。一方で、危険な道を進み続けるのならさらなる圧力をかけ続ける。選ぶのは北朝鮮だ」と述べ、北朝鮮に核・ミサイル開発の断念を迫りました。
また、日本の別所国連大使は「安保理は北朝鮮に、核・ミサイル開発は決して受け入れられないという明確なメッセージを送った。きょうの決議は北朝鮮に緊急に行動を変えるよう求めるもので、安保理は北朝鮮の続く挑発に一歩も引かない」と述べたうえで、「外交による平和的な解決ができるかどうかは北朝鮮側の対応にかかっている。北朝鮮が平和と安全を望むのなら、朝鮮半島の非核化への具体的な方法を行動で示すべきだ」と述べ、北朝鮮に対して具体的な行動をとるよう求めました。
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(私のコメント)
「全会一致」を整えるために、ほとんど意味のない制裁案にした、苦肉の策。
中国とロシアの発言がそれだけ強かった。トラのアメリカはそれを受け入れるしかなかった。
さあ、これで、北は、もう、核開発を止めるでしょうか? アメリカはカリアゲを承認する?
そうなると、戦争屋は、完全敗退だ。
今、北にはすでに《 ミサイル、ICBM、水爆、電磁パルス 》が有ります。これらは、一体、何のために、誰が資金と技術を出して、この状態まで開発させ続けて来たののでしょうか? 特に、平成時代になって、北の狂犬化・モンスター化が加速してきたのです。ここにいたるまでの動機をNHKを初め各国の半島ウォッチャーは、きちんと解説していません。しかし、参加各国はみな分かっていることでしょう。
北は、日本に対し、アメリカ追従を止めよ、といっているのです。
アメリカによる、戦後の日本支配の中で、組み立てられているのが今の行政(官僚)機構と司法、そして、日本の「国富」の使い方です。
特に、「安倍一強」時代に、「南シナ海」の島嶼を埋めた中国の危機を煽り、さらに、今年にはいって、トランプ就任からは、北のミサイルが活発化し、それらに合わせ軍事費を増額させたのが、「一般会計」の予算ですが、実は、それ以外に「特別会計」があります。
東アジアの緊張を、ほんとうに、緩和する流れになるのか?
北朝鮮から帰国した猪木氏は、「膝を詰めて、話してみろ」と。
・・・ 幽霊が どんどん消えていく。