「排除の論理」を掲げ、希望の党を率いる小池百合子東京都知事が、早くも公認候補者から三行半(みくだりはん)
を突きつけられた。
希望の党からの公認を辞退し、無所属で出馬するために辞退届を4日に提出したのは、長野1区の民進党前職の
篠原孝・元農林水産副大臣(69)だ。篠原氏を直撃すると、希望の党の不可解な公認の実態が浮かび上がった。
篠原氏は民進党きっての農政通として知られ、安保法制反対、反TPP、脱原発を主張してきた。
そのため、希望の党が突きつけてきた政策協定書にサインしなかった。
ところが、希望の党が3日に発表した第1次公認候補で、篠原氏は公認されてしまった。
小池都知事は、公認を出す基準について「政策の一致が前提」と語っていたが、実態は異なるようだ。
篠原氏は言う。
「離党届と政策協定書にサインするよう連絡が来たのが2日の18時で、3日の朝9時までに提出するよう求められました。
しかし、
政策なんて何もない政党と政策協定書にサインさせるなんて、小池さんの前で土下座して、
クツを舐めさせるような行為です。私は、政治家として14年間歩んできた矜持から、
サインはしないと伝えました」
篠原氏には、2日の夜から民進党本部や同党長野県連の議員から
政策協定書にサインするよう求める電話が相次いだという。
もちろん篠原氏は拒否したが、希望の党は翌日に 篠原氏を”強硬公認”した。
協定書のサインは 県連の議員が勝手に代筆したとも報じられている。
「当選回数の多いベテランの民進党議員は、希望の党からほとんど排除されました。
だから電話では『新しい党を運営するときに重石になってほしい』と言われました。
政策協定書の中身も、穏当なものになったから納得してほしいと。
しかし、そもそも民進党の個人の議員と政党が政策協定書を結ぶことがおかしい。
小池さんのやり方は尊大です」(篠原氏)
衆院選では政党に所属すれば、小選挙区で負けても比例区で復活当選できる可能性がある。だが、無所属の場合は
比例復活ができず、落選のリスクは高まる。長野1区は、篠原氏と自民前職の小松裕氏、共産新人の長瀬由希子氏、
維新新人の橋本将之氏が出馬予定で、激戦は必至。篠原氏は、比例復活のない背水の陣で選挙戦に挑むことになる。
篠原氏は言う。
「比例復活の道を残すために、不本意に政策協定書にサインした民進党の議員は
たくさんいると思う。 こんなやり方は絶対に許されません。 だからこそ、
私は泣く泣くサインさせられた人たちの気持ちを代弁していくつもりです」
PS: 篠原孝氏が生まれた長野県中野市は、「唱歌”故郷”のふるさと」です。
生家の近くに千曲川が流れ、ニギハヤヒが誕生した「柳沢遺跡」、縄文と弥生が融合した「栗林遺跡」があります。
中野市は、”故郷”を作詞した高野辰之、作曲家では、中山晋平、さらに久石譲という音楽家を輩出しました。
「証城寺の狸林」の作曲家が中山晋平でした。
この歌の最後は、タヌキたちは、ぽんぽこぽんと腹をたたいて、月に照らされた萩の花を楽しむのですが、
どうも、 緑のタヌキ は、腹をたたきすぎて、破裂させてしまったようです。