HOME > 新井信介 「京の風」 > 時事問題 > 国債の発行残高1000兆円。日本にはどんな未来が待っているのか?北の戦争と関係する?
こんにちは。
今日は、少し硬い話題、国家と財政のことです。今、日本政府は、アメリカ・中国よりも財政事情は強い、盤石だという人がいるのですが、どうなのでしょう。一方、北を取り巻く軍事情勢の声は大きい。
電子マネーやビッドコイン、タックスヘイブンあるのですが、詳しい人に聞いてみました。
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質問です。 日本の財政と国債の発行残高のことです。
破綻はあるのか、ないのか? それは、どんな形で現れるのか?
最近、「国債の発行残高が1000兆円になっていることを心配する人がいる」一方で、それに対し、「日本の財政は問題ない」といわれる評論家の方が多いのですが、本当に大丈夫なのでしょうか?
これに対しては、
「国債残高は1000兆円あっても、日本の財政は問題ない」という評論家の方々の説明は、次の2つの観点から説明されることが多いでしょう;
① 負債が多いのは確かですが、資産も多いので、相殺した「純債務」ベースでみれば、たいしたことはない。日本政府は多くの(金融)資産を持っているので、純負債で考えると、負債額は減少する、というもの。
② そもそも、国の債務は、国民の資産なのだから、国民は一人当たり800万円の債務を背負っているのではなく、800万円の資産を持っていると考えるべき、というもの。
以上について説明します。
①については、確かに「純負債」ということでいえば、金額は国債発行残高の半分くらい(約500兆円)に減少します。(注)数値はいずれもH25年末のもの。
しかし、その「資産」のなかには、年金積立金の運用預託金(約105兆円)、「売却できない」外貨準備(約130兆円)、また一番大きな額の道路などの公共用財産による有形固定資産(約180兆円)がありますが、これらは負債の返済にすぐに使えるようなものではありません。
確かに、「純負債」ベースで考えることは重要ですが、資産側に(金融)資産があるから大丈夫などと簡単に言えるような状況ではないでしょう。
また、これに関連していることですが、日本には、1800兆円 あるいは、海外に1000兆円の資産があるから大丈夫という議論がありますが、「1800兆円というのは、日本の個人資産」 「1000兆円というのは、企業や個人が海外に保有しているに資産」で、日本政府とは、何の関係もない資産です。「個人や企業の資産も政府のもの」というのであれば、とんでもない話になってしまいます。
なお、蛇足になりますが、日本の社会保障制度における「隠れ債務」は「1500兆円」だという社会保障の専門家もいて、それが正しいとすれば、国債の1000兆円という残高など吹っ飛んでしまうような金額です。
② については、より深刻な問題をはらんでいます。
これが何を意味するかといえば、ある有名な大学教授が著作で書かれていますが、実は、最終的には「政府には徴税権があるから 大丈夫」というものなのです。
たしかに、国民から税金という形で国債を償還するための原資を調達すれば、国債のデフォルトということは起こらないでしょう(あくまでも国債残高が国民の資産の総額を超えないという前提ですが・・・)。しかし、国民はどうなってしまうのでしょうか?
この考え方はきわめて官僚的な考え方で、「国民あっての政府(国)」ではなく、「国民は政府(国)のための存在だ」という考え方によるものです。
戦後、我が国で、何が行われたかをみれば、国民がどれだけ政府(国)のために犠牲にされたかは明らかです。
戦争によって300万人(当時の人口の3%)という命が奪われたのに加えて、(戦時)国債という政府の債務は償還され、デフォルトは起こりませんでしたが、 国民は、「預金封鎖と新円への切り替え」とその後の「財産税」などの施策によって、国民の財産は収奪されました。
さらにいえば、国債以外の戦前の国の債務は、特別法によってほとんどが棒引きされてしまいました。
そしてまた、よく「戦時国債」が「紙切れ」になったということがいわれるのですが、1946年の432%を初めとして、数年続いたハイパー・インフレによって、戦時国債や預金は紙くず同然となってしまったという事実がありました。
*なお、最後に、最近よく聞かれる意見に 「国債ではなく、政府紙幣を発行すれば問題は解決する」というものがありますが、これに関して言いますと、
もし、政府紙幣の発行で、現有の財政上の問題が無くなるのであれば、そもそも税金などを徴収する必要はないはずで、日本に限らず、世界的に税金をなくして政府紙幣によって資金を調達すればよいということになります。
そうすれば、国際的に問題になっている法人税の税率の問題や、タックス・へイブンの存在の問題も、すべて解決するということになるのではないでしょうか。
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