【お知らせ】新井信介先生の講演会のDVDが出来上がりました(2012年6月24日開催分)
テーマ: 日本に、ミトラス(ヘレニズム)は、いつ入ったか?
アレクサンダーが残したヘレニズムの真髄ミトラ。文字で書かれた「神」の限界を知り、和解と信頼を教えた。ドグマを否定し、イノチの尊厳と自由意志の融合を目指した。
文明化とは人間の存在を、大いなるイノチの流れから独立させる、二つの分離感で始まりました。これはシュメールでより明確になり、そこでは文字言語で示される神との対話や契約が、多くの民に、一定の規範と、善悪や正統性などの価値観を喚起しました。しかし、感じ取った「神」の実在を口伝ではなく、権力者が文字言語で表現して伝達するようになったとき、その教えにある「神」は、実態から切り取られた存在で、しかも、制約の枠がかかったものになります。
これに対し、3000年前にイラン東部におきたミトラの教えは、そうした文字で書かれた「神」は、誰がつかんだものにせよ、常に、今も我々とともに実在する神の、部分や断面であることを教えていました。ミトラはいいます。「神は、われわれと共に成長する」と。
BC8~6世紀、西アジアやギリシャで多くの国が勃興するとき、ミトラは各部族がもつ神話を融合させる力になり、また、その時代にあった統治に適する神を生み出す意志も育てることになりました。その中でゾロアスター教やユダヤ教が整い、特定の血だけが神と通じることが出来るとしましたが、BC4世紀のアレクサンダーの東方遠征では、再びミトラの認識が深まりました。
アレクサンダーは同胞のギリシア人に対しては、自分をアポロと呼ばせ、ゼウスの時代は終わり、私、アポロの時代が始まったと宣言しましたが、新たに臣下となった西アジアの人々には、自分をミトラと呼ばせ、アフラ=マズダーとアーリマンが戦った不毛な時代(ゾロアスターの世界観)は終わり、ミトラの時代が始まったと宣言しました。ここから、異文化を融合させるヘレニズムが始まりました。
ヘレニズムの言葉の意味は「ギリシャ化」であり、アレクサンダーが仏教僧に諭された北インドの地は、後に、ガンダーラ(GANDHARA)=「ギリシャ人の仏教」と呼ばれました。
ヘレニズム時代は、アレクサンダー帝国時代と、その後のセレウコス朝シリア、 アルサケス朝パルティア(226)までを指します。その空気の中でイエス・インマヌエルも誕生しました。
ヘレニズムの最後期になるAD2世紀中ごろにクシャーン国(大月氏)に現れたのが、カニシカ王でした。このとき大乗仏教が生まれ、ミトラの教えは4世紀には、弥勒菩薩を生み出します。
日本列島では、アレクサンダーの死後に渡来したヘブライ人によって、縄文の霊性が「勾玉」に象徴化されました。そして、中国大陸に中華皇帝が誕生すると、常に、その冊封に入るのか、それとも出て、自立独立するのか、が、大きな国家のダイナミズムとなりました。
6世紀に、弥勒菩薩(像)が倭国に入ったときにも、まだ、通貨はありませんでした。そして、共通の文字言語もありませでしたが、日本列島には、口伝で伝わる、歌がありました。
私たちの祖先が、皇祖神アマテラスを生み出すときまでに、このミトラをどう理解、吸収していたのか、今回は、研究したいと思います。
参考: 万葉集には、中皇子(後の舒明)の歌に「ミトラス」が出てきます。(巻一の三番、四番)
天皇、宇智(うじ)の野に、遊猟(みかり)したまふ時、中皇命の使 間人連老(はしひとのおゆ)をして 獻(たてまつ)らしめたまふ歌:
やすみしし 我が大君の 朝庭には 取り撫でたまひ 夕庭には い寄り立たしし
御執らし(ミトラス)の 梓の弓の 金弭(かなはず)の 音すなり 朝猟に今立たすらし 夕猟に今立たすらし
御執らし(ミトラス)の 梓の弓の 金弭(かなはず)の 音すなり
反歌: たまきはる宇智の大野に 馬並めて 朝踏ますらむその草深野
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